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メディアワークス文庫『時槻風乃と黒い童話の夜 2』

甲田学人先生の夜の童話ファンタジー。

甲田先生だと「夜の」って接頭語が付いても恐怖しか感じない不思議。

2巻は『白雪姫』と『ラプンツェル』の中編2本。

文量が多くなった分、少女の周りの関係が濃くなってきて、
少女その人がやや薄くなって、いつもの『断章』っぽいです。

風乃さん、森野さんも、通りすがるだけでは済まなくなってますし。

●白雪姫
嘘をつけない真面目な少女と、可愛いだけが取り柄の友達のお話。

真面目な委員長と、男にだらしないおバカさんとの凸凹コンビな
お話ですが、その良くある潔癖さや寂しがりがなんだかすごい引き金に。

風乃さんは真面目ちゃんの、森野さんは寂しがり娘ちゃんの人生相談役。
この話ではどちらも相談の結果として何かがあったわけではありませんが、
二人の物語の結末は、なかなか象徴的というか。

白雪姫の登場人物として、「嘘をつけない鏡」の存在に焦点を
当てるというのも面白かったです。嘘をつけない、そのシーンの息詰まり
っぷりは今までにない恐怖感でした。

その後の再開シーンはいつもの甲田さんで、泡禍ありならもっと
酷い事になっていたのでしょうな。

●ラプンツェル
父親を嫌悪し、男嫌いをこじらせつつある少女のお話。

書く人が書けば、キマシタワーとなるようなお話ですが、甲田学人さんなので、
より生々しい感情で以て、より惨憺とした結末です。
男嫌いの2人の少女が出てきますが、一人はただ男を知らず、無知からの恐怖
という理由による拒絶。もう一人は父親という悪例から、偏見を持っての嫌悪。

そのスタンスの違いがあるにもかかわらず、「同族」としてしまう勘違い。
それが最悪のタイミングで引き金をひかれちゃいました、という事件なのですが、
その引き金に当たる母親のミスリード。これがあり得るのか、微妙なライン。

この「極端でない悪意」というモノが、今まで私の中で想像だにしなかった
存在でありまして。解釈に時間がかかりました。
子供に対して無関心であるなら、このくらいの悪意もあり得るんですかね。

それでは、また。

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