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ハヤカワ文庫JA『約束の方舟 下』

惑星移民航路の最終段を担う、少年少女たちの成長物語。

上下巻にして、6年間スケールの物語。
「新世代」の煽りにうまい事言いやがって……と、感心しきりでした。

下巻では15歳の事件の顛末と、18歳編で事件と全ての謎解き。

テル、キリナのそれぞれの事件の黒幕はもちろん、
21年前のベガ―戦争、移民計画そのものまで、です。

後の2つ、ベガ―に関する話の辺りはSFのお約束だとしても、
シンゴを初めとする子供たちの成長っぷりは、同じお約束でも、
やはり感動もひとしお。

テルの事件、キリナの事件、そして最後の締めくくりと、
それぞれ1つだけでも心がポッキリ折れちゃいそうな出来事なのに、
各々の想いを抱えつつも、次のステージに出てくる逞しさ。

その挫けない心がとても美しく、頼もしく、素敵なモノでした。

大切な物を手に取ったと思った、その瞬間に零れ落ちていく運命のシンゴ。
彼は主人公だからやってくれるという期待に応えてくれましたが、
憎まれ役からヒロインの親友ポジションに入っていったスイレンさんなんて、
愚痴がこぼれて涙もこぼれて、すわ退場か!? と何度も思いました。
それでも最後まで出てきて面倒を見てくれる姉御肌。ホントかっこいい!

キリナにしても、思いのほか暗い部分へ落ちて行ったので、
復帰は無いのかと思っていただけに、最後のがすごく映えました。
「大人びた腹グロ」のイメージが「幼い強かさ」に変わって、
最初の「無邪気な後輩キャラ」から言えば二段オチ。
まさに大勝利と言えますな。

そしてもう一人、テルさん。
上巻でも大暴れで輝いていましたが、
この下巻でもここまでの影響力をもって出てくるとは……。
初期設定である「天才」の要素、こいつなら何をしても驚くことじゃない、
という特性をいかんなく発揮、です。
出てきたおかげで、目茶苦茶だよ! だがそれがいいのです。

主要メンバー、全員の成長の切っ掛けであり、救いでもある。
この万全のサポート体制に、後から後から感心しきり。
下巻まで読んで、上巻表紙のワンピース姿を見るのは、
いろいろと含みがありすぎて、胸がいっぱいいっぱいです。

ベガ―さん達も、SFもののお約束ではありましたが、
しっかりとちゃぶ台をひっくり返してくれまして、
最後まで楽しませてくれました。
やっぱり宇宙を泳ぐのは鯨ですか、そうですよね!

私の中ではぷよぷよというよりは、メトロイドなんですが、
どっちにしても「友」と呼ぶほどの交流は無いわけで、
この話はかなり新しい異種交流で楽しかったです。

そんなこんなで上下2巻ながらも、大激動の6年間。
とても面白かったです。ありがとうございました。

それでは、また。


関連

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