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角川スニーカー文庫『ベイビー、グッドモーニング』

河野裕さんのデビュー作『サクラダリセット』完結巻と同時発売の
死神少女な短編集。

短編集と言いつつ、各話でちょっとしたリンクが取れてて、
この1冊まるまるで1つの物語りということで、よろしくという感じです。

死神少女が死期を告げるというか、死に行く人にいろいろお節介をする…、
というと、電撃文庫の某しにがみ。作品が浮かびますが、
そこは作家の雰囲気という感じで、こっちの方がお節介度低めの、
救われ度も低め。

なんというか、分かり辛い救われ方をしてて、後で分かる的な感じです。
その分だけ、驚きというか、やられた感があります。
サクラダリセットを読んだ後だと、作者の掌の上だという気配が、
なおの事ひしひし伝わってきて、なんか悔しい……でも感じちゃう、びくびく。

でもって、死神の少女のビジュアルが相当に私的ドツボでした。
かねてより椎名優さんは好きなイラストレータって事を差し引いても、
なんだろう、この胸の高鳴り……不整脈!? でございます。

さておき、短編という事で。以下いつもの。

●A life-size lie
病室で闘病生活を営む少年のお話。
一番、この小説らしい感じ。
死神のスタンスとか、主人公の気持ちの変わり様とか。

健康な身の上としては、少年の気持ちが分かるなんて
とても言えたモンじゃないですが、そこをあえて想像するのがこの本です。
たぶん。

世話をしに来る少女との関係も、いわゆる青春真っ只中ともちょっと違い、
なかなかに複雑な幼馴染み関係で、いろいろと想像の余地が尽きません。

猶予の時間を貰い、死について考えて。
好きになったのは少女なのか、世界そのものなのか。
魂の綺麗なところとはなんなのか。

●ジョニー・トーカーの『僕が死ぬ本』
世界で一番美しい言葉を探す絵本作家のお話。

ものすごく作家さんそのものな話で、読者としてはまさに想像するしかない、
というような、そんなオチ。

どういう情動なのか理解できるけど、その想いの強さなんか、
想像したって分からないことが分かるという。

冒頭に絵本の文章が載っているわけで、それを読んでどう思うか、
思ったかを試されてるという話でもあるのかしら。

この作家本人のように、編集さんのように、不気味で後味が悪いと思うのか、
あるいは。

●八月の雨が降らない場所
死に近い女の人と、誰かを助けたい男の人のお話。

死に際して、偶然(?)出会った人を救えるか、みたいな。
あと1日で終わるなら、なんだって出来るのか、それでもやっぱり出来ないのか。
某マヤ暦じゃないですが、なってみないと分からんですよね。

しかしまー、5kmの距離がすごい。そっちかよ! 的な意味でも、
気象情報的な意味でも。驚かせたモン勝ちな感じもしますが、結果よければ。

●クラウン、泣かないで
誰にも頼れない、頼れなくなった少女のお話。

元クラウンな義理の(?)お祖父ちゃんと、少女のお話ですが、
この少女が最初の少年のあの少女です。

あれで終わるはず無いとは思いつつ、これはこれで残酷というか。
救われてるからいいのかしら。

クラウンとピエロの違いなんて、ついぞ知りませんでしたし、
この本の定義であってるのかも分からんですが、

だからこそ仕掛けとしては、もう驚くしかないというか。
良いお祖父ちゃんだ……。

そして、この最後のオチ。ドヤ顔されてるきっと! ホントくやしい!

●プロローグ/再び、プロローグ
という事で、意味の分からなかった、いろいろなアレがつながりを以て、
理解に至り、全体としてのオチということで。

タイトルに最後まで気付かなかったのが、本当にくやしい……。

●グンナイ、ダディ
角川スニーカー文庫公式サイト「ザ・スニーカーWeb」掲載されてる、
死神視点のもう一編。

もうこのシリーズの続きは書かないと作者が言ってるので、
ここに感想書くしかないじゃない!

お話としては前日談。7月のノルマをこなす死神のお話。

魂の濁りとは未練とは違うわけですが、この話ではすごく未練っぽい。
あるいはこの短編で何度か言われてる、信じられるものがあるかどうかか?

とりあえず、死神の少女の変人っぷりが明らかに。
まあ、そういう所は某真っ白なしにがみさんと同じですわな。

それでは、また。


関連

サクラダリセット 7

サクラダリセット 6

サクラダリセット 5

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