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電撃文庫『キノの旅 14』

キノの秋、ということで10月の固定枠。

時雨沢先生の1年分の脳内旅行記ですな。
特別収録でPS2ゲームの特典小説も。

●情操教育の国
子供のためとお稽古ごとやペットを与えてみるも、
ちょっとばかりワンパク過ぎて効果が無い。
と、困ってる国の人に師匠さんが一言。という話。だいたいあってる。

大人には子供の考えている事ってのは分かんないもんだなぁ、と。
大人が心配するほとんどの場合において、それは取り越し苦労である、
なんて話も聞きますし。

●呟きの国
制限数内で文字を打ち込むと、世界のあちこちで多くの人がそれを見られる、
という機械を拾った人が日々をつづるお話。

某ツイートなアレがモチーフですけど、ぶっちゃけ面影は欠片もないです。
短文を続けていろんな事をいっぺんに書いてますし、
なう。とか言わないし。

そもそも平和な国でなく、戦乱の日々ですし。
初っ端からいきなり重い話ですん。

それはそれだけの話なんですが、
キノが仲間か仲間じゃないか、という微妙な含みを持った発言が。
年齢の話もたびたびあることから、違う人種の話ではなくて、
子供と大人の戦いなのか…? と思ったのですが確証なし。

●規制の国
悪影響を与えるかもしれないから、単純所持すらも禁止。
という、どこかで聞いたような理屈の法律がまかり通る国の話。

その理屈はおかしい。という指摘も多く上がるこの話題ですが、
このおかしい理屈は一般的にひろく染みついており、
なかなか気付けないんじゃないのか的な。

そんな皮肉が効いてて面白かった。

●開運の国
役にも立たない石ころばかりが採れる国で、
この石ころ要りませんか? と勧められる師匠さんの話。

あー、なるほどね、“C”ね。という感じで。

●遺作の国
大ヒットを飛ばしたが、続々メディアミックス中であるにも関わらず、
新作が出ない作家さんのお話。

お、恐ろしい話を書いたもんだ…。

でも多分これは「Write or Die」って書きたかっただけな気が。

●亡国の国
友愛の精神で城壁と取り払い、しかし、それは隣国の罠だったのだ!
と、風前の灯な国に入ったシズ一行が国を愛する男に出会うお話。

シズ達が見られるのは今巻、この話だけ!

オチが、つまりはティーが巧すぎる。
その発想は無かったわ。嘘も爆弾も。

●結婚の国
結婚に必要なスキルとしてサバイバルゲームが認められている国のお話。

結婚前のステータスなどきっかけでさえあればいい、という話ですな。
何故サバゲーなのか? ヒント:作者の趣味。

まー、キノが結婚してエンディングとかじゃなくて良かったということで。

●寄生虫の国
常に健康で風邪ひとつひかず、怪我の治りだって良くなっちゃう。
それもすべて、寄生虫のおかげなのです! という話。

寄生虫が体に良いという民間療法を極論した話ですな。

あるいは安定した50年と不安定な70年とどちらがいいかという、究極命題的な。
50年は短いか。うーむ。

●差別をする国
隣国の住人をひどく差別し蔑んでいる国のお話。

プロパガンダすげぇ! という話になるのかな?

滑稽に見せているけれど、方向性が違えば、
あるいは行き来が簡単であったなら、とんでもない悲劇なわけで。

●正しい国
戦争根絶を目指した、とある国の末路なお話。

いや、まぁ、どう考えてもその詩に共感するのはおかしいだろう。
具体的には4枚目。…というのは、熱狂の渦の中にいないから言えるのかしら。

国の話としては、有りがちな感じだけれど、
この人の話としては、ちょっとしたアウターゾーンとして読めるのかな。

あるいはラストの悲劇について是非を論じてみるとか。

●卑怯者の国
PS2用ゲーム…そういえば、そんなのあったんだっけ…。
というわけで、ゲームの特典としてついていたお話。
ゲーム本編との関係はやってないから不明。

現代的なとある国を襲う爆弾魔のお話。

この展開は読めていたという感じだったが、
キノを狙うだなんて、100億万年早いわ! と言いたい。

しかし、名前付きということはいずれ学園キノに登場したり……。

●朝日の中で a/b
山に隠れてしまう日の出を見てみたいという依頼を受けて山登りなお話。

さて。エルメスの「でもさ――」に続くのは何なのか。
単に泣くほどのことじゃない、ってだけとも思えないんだけど、
特に違和感のある感じじでもない…。

あるいは日の入りか? とも思ったが、描写におかしい所ないし。

●あとがき
10周年記念だとあとがきまともだな! なにこれこわい!
と思っていたら、そろそろ定番になりつつあるアレだった。

いや、カルタってw 44個もよく詠んだな…。
だれか札にしてくれないかしら。

それでは、また。


関連

キノの旅 13

メグとセロン 5

学園キノ 4

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