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メディアワークス文庫『ガーデン・ロスト』

べにたまさんこと、紅玉いづき先生の新刊。

…あれ、べにたまさんは紅玉先生とは関係ないんだったかな?
ま、いいや。

兼ねてよりハードカバーで出るんじゃないかとか、
そんな評判だったものですが、メディアワークス文庫に来ました。

とはいえ、『人喰い三部作』とは打って変わって、
時は現代、学園モノでござい。

放送部として、放送室を占拠する4人の女子高生さん達の、
“閉塞した”青春のお話。

他の人を病気にさせるほど優しいエカ。
一人の夜が寂しいマル。女の子らしくなれないオズ。
そして、学歴という信仰から抜け出せないシバ。

それぞれの子の視点で、それぞれの子のお話をしながら、
高校3年生の四季を巡る展開。

とっくに人生間違えちゃってて、薔薇色なんかでは決してない高校生活の、
その最後の1年というどん詰まりっぷり。

己が幸せでない事は自覚して、それを見ないふりしてあがいてみて、
でも、今さらどうしようもない事だって分かってて。

どんより感というか、進む事も戻る事もできないどうしようも無さ加減というか。
そのものズバリ、桜庭一樹先生の地方都市シリーズっぽい雰囲気。
あそこまで極端では無いか。

個人的には、エカ>シバ>オズ>マルの順で共感度高し。

エカは、初っ端からやってくれたというか、そこを取り出すのかというか。
一見、無害そうな所からひっくり返すので、驚きようが凄かった。
善良を自負する人ならだれでも共感出来そう。

「優しさ」は用法・用量を守って正しくお使いください。
という事なんだが、正しく使える人なんかいるのか? ってくらいに、
用法・用量にかかる制限が難しい。

難しいにも関わらず、他人から貰うものだから個人での服用は出来ないし、
逆にあげようと思えばいつでもあげられるから、ストッパーが無い。

ことほど左様に難しいお薬だと気付いてしまえば、
今までどうやって来たかすら怖くなるんで、
結局、こまけぇ事は良いんだと開き直るしかない。
自覚出来ただけ、成長したんだと信じるしかない。

シバは、やる事なす事、全て裏目に出るという報われない話。
でも、やったのもなしたのも自分だから、後に引けない。

でもでも、報われないのも後に引けないのも気の持ちようでしかなくって、
絶望するのも自暴自棄も唯一の特効薬なんかでは無い、という、
真面目な学生さんなら、分かってくれそうな話。

「学歴という信仰」って言葉は、ズキッときた。
多分、私もそういうの信じてたクチだから。

学生時代、なんで勉強してたんだろうな…というのを今思うと、
それは「そういう宗教だった」から、としか言いようがない。

特に意味はないけど、それをする事で「存在を許される」からやってた。

宗教だったから悪いとかそういう話じゃないけれど、
それを自覚してなかった、というのは気持ちの悪い話。少なくとも私の中では。

オズの性に対するコンプレックスは、さすがに共感できるとはとても言えないし、
マルの寂しさに関しては、さっぱり理解できない。

そういうモンなんだろうか。そういうモンなんだろうなぁ。

それでは、また。


関連

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MAMA

電撃文庫MAGAZINE Vol.13

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