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電撃文庫『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』』

去年の電撃文庫MAGAZINEに掲載されていた短編4+1本の短編集。
短編は「ぼく」がみーくんになる前までの話。
+1は……入間人間氏らしい意地の悪いお話。

MAGAZINEでは『うそつきみーくんと~~』シリーズでしたが、
ちゃんとタイトルが付きました。

カウンセリングを受けるぼく、トーエと遊ぶぼく、
にもうとと逃げるぼく、まーちゃんと出会うぼく。

●春『うそが階段を上るとき』
“事件”直後、とある施設に入院中のぼくが、
恋日先生とかヤマナさんに諭されるお話。

やや退廃的だけど、ぜんぜん一般人の範疇であると思わせて、
やっぱりとんでもない爆弾を抱えている人が集まると、
まー、こーなる。…のかなぁ? という感じ。

ヤマナさんのトラウマ(?)である、人間の立てる音なんて、
居そうな居なさそうな、ギリギリの本当っぽさが感心する。
実話なのかもしれないですが。

「犯人はあんただ!」と糾弾する、ミステリっぽい形にもなっているけど、
言葉通り子供騙しなだけあって、ミステリっぽいだけというか。

●夏『ともだち計画』
施設を退院して、学校へ通うぼくが、トーエと友達(?)になるまでの話。

トーエの子供らしい歪みっぷりと、ぼくの達観しいっぷりがもうね。
あとは単純に「ぼく」は主人公補正でモテまくりですね、というか。

いつも思うけれど、いじめを扱う話だといじめは当然みたく書かれてて、
それがなんとも納得のいかぬところ。フィクションに限らないけど。
リーダーが居なければ~、なんて辺りも、
自分の子供時代を振り返るに、なんだかしっくりこなくて。そうだったかな?

トーエの場合、理由がはっきりしてるので“有り”かなぁ、
とか思っちゃいますが。
理由があれば何でもOKというのとはまた違う話ですけれど。

このいわゆる幼い頃の約束キャラであるトーエが、
『みーまー』本編で出てくると思いきや、『電波女』に出てきた時の、
驚きようったら。

●秋『蟻と妹の自転車籠』
秋のピクニックで山へ行ったらあっさり遭難したぼくが、
幼い頃、妹と山へ行った思い出を回想する話。

幼い頃でも変わらず妹に足蹴にされるぼくとか、
乱暴で横暴な割に、異常事態には案外弱い妹ちゃんとか、
見てて微笑ましい訳ですが、そんな話の訳も無く。

山のふもとのお兄さん、とんでもねー!
こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいが(以下略 という感じ。

と思った直後に、ぼくの反撃が始まって、
そっちの方がよっぽど恐ろしいという、とんでもなくとんでもないお話。

何がって、このお話は“事件”の前であって、
つまりぼくのアレげな所は生来のものってことで。

とはいえ、異常な状態に置かれたときに異常になれるのが正常なのかも。
程度の問題なんだろうか。

結論としては、妹ちゃんと絡む話はいくら見ても飽きないな。
ってことでひとつ。

●冬『Happy Child』
冬になってまーちゃんと接触したぼくが攫われる話。

まーちゃんの壊れっぷりはいつも通りっちゃいつも通りだし、
幼い分だけ無邪気さが増えてるような気がしないでもない。
些細な差だけれども。

先ず、ガツンとやって、その後にデレデレするから、
そのギャップに何を思えばいいのやら。

デレデレした後ガツンだったら、デレデレしてるところでは、
何の気兼ねもなしにニヤニヤ出来るんですけど。

そしてまーちゃんだけでは語れないのがこのお話の良い所で、
最後の最後で恋日先生の大ハッスルがヤバかっこ良い!!!

ついでにマフラーにニヤける恋日先生も見物。

●とってももしもにもしかして『壊れていない正しさのある世界なら』
とある平凡な高校生である“天野あい”の平凡な一日。

あい君は自分の名前は嫌っていても、それで吐いたりしないし、
お父さんもお母さんも健全で、お兄さんもちょっとひねくれてるだけ。
後妻の連れ子で妹ちゃんが出来たりとかしてません。

ご近所さんの伏見柚々と一緒に学校へ行ったり、
剣道部の朝練(?)で海老原や枇杷島と戯れたり、
親友の菅原道真とその恋人である御園マユさんとお話したり。

周りばかりがラブコメしてると思い込みつつ、
実際、自分もラブコメしてるあい君の何も無い一日。

これは酷い! 全然問題ないじゃん!
全部全部、収まるべきところに収まっていて、完璧で。

だけど、フィクションで。登場する人物は架空のものです?

でも、柚々が可愛いので……許せるかなぁ?
妹ちゃんが出てこないし。

あと長瀬までみーくんにお熱なのは、どうなのか。
収まってるから良いんだけど、良いんだけどさ…。

なにより「ぼく」の名前が「あい」だって話は、何度か聞いていたし、
それしかないんだろうとは思っていたが、作中で明示されるとは思ってなかった。
タイトルからしてそうとは…。

それでは、また。


関連

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 7

光の庭、庭の光(電撃文庫MAGAZINE Vol.9)

うそつきみーくんと壊れたまーちゃん(仮)(電撃文庫MAGAZINE Vol.5)

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