« ファミ通文庫『魔王城 1』 | トップページ | 電撃文庫『ウィザーズ・ブレイン 7上』 »

スクウェア・エニックス・ノベルズ『犬憑きさん 下』

ガンガンONLINEの掲載作品。
これから他の作品も続々単行本になるみたいで、ありがたいことです。

表紙に騙されてのんびり系かと思ったら、ガチ呪いのお話。
…と思ったら、呪いじゃなくて催眠術? な下巻。

変なお坊さんが追っているというヤマヒコ事件の解決編。

思春期に良くある(?)本気じゃないけど思い余って呪ってみたら、
ホントに呪いがあわわわわ、な状況から一変して、
異能犯罪者と超能力探偵なノリに。

超常現象でしか有り得ない話がある一方、催眠術や妄想で説明する話もあり、
はっきりしないまま終わってしまったのが、ちょいもやもや。

読み終わってみると、第一話が異端だったなぁ。
ヤマヒコ事件よりは、ああいう短編の方が好き。

以下、そこそこネタバレもありで。

●第四話 傀儡子・前
恋に敗れて丑の刻参りな女の子が、さらに変な男に思い入れて、
ヤマヒコ事件に首を突っ込む話。

端役かと思ったらヒロインだった浩子ちゃん、
毒喰らわば皿までな覚悟は良いんですが、縛られるのはやり過ぎです。
もうちょっと警戒すべき。なんというエ□さ。

思春期の女の子には良くある事。ただし二次元に限る。
という感じのテンプレっぽいパターンなんですが、
ヤマヒコが予想以上に大物過ぎてBAD ENDなのが予想外。

●第五話 傀儡子・後
犬憑きさんと狐憑きさんがヤマヒコに挑む話。

ヒノエとヤマヒコの関係にしても、典子ちゃん攫われ事件にしても、
犬憑きさんのヤマヒコ捜索にしても、ヤマヒコの最期にしても、
かなーり無茶な展開と言わざるを得ない。

ただ、だからこそシリーズの中で一番象徴的なお話という気もしている。
一貫していないヤマヒコとか、妖物の存在はどうでも良くって、
ヒノエの行動とか、典子ちゃんの行動とか、その辺の「思い」が大事みたいな。

あ、でも警察の無能っぷりも一貫していたけど、
これは大事な事なのかどうなのか微妙だなー。

●最終話 犬神
犬憑きさんと野分との出会い。狐憑きさんとマークとの別れ。

設定の諸々を補完する話でもあり、憑き物を落とす大事な話でもあり。
この話だけを見れば、憑き物は子供の情緒不安定さの結果であり、
通過儀礼的なものとして扱われている。

それを他の話を通して「そんな単純なものじゃないんだよ」と言うのが、
じゃあ、この話の主題だったのかしらん。

それこそ「そんな単純なもの」だろうかと言う気はする。
真琴はともかく、歩は卒業してないし。
幸せなら見えたって見えなくたっていいじゃんか、とか結論してみる?

あと、結梨が「恋だった」と告白したのはびっくりした。
これまでの報われなさ加減が半端なさ過ぎるので、
「恋」に肯定的な意味を与えているのか、否定的な意味を与えているのか曖昧。
ってことは、「恋」もどうでもいいのか?

表紙と最後で歩が笑っているので、「ま、いっか」な結論になってしまう。

それでは、また。


関連

犬憑きさん 上

|

« ファミ通文庫『魔王城 1』 | トップページ | 電撃文庫『ウィザーズ・ブレイン 7上』 »

10_その他」カテゴリの記事

アニメ・コミック」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222518/45324793

この記事へのトラックバック一覧です: スクウェア・エニックス・ノベルズ『犬憑きさん 下』:

« ファミ通文庫『魔王城 1』 | トップページ | 電撃文庫『ウィザーズ・ブレイン 7上』 »