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富士見ミステリー文庫『SHI-NO -シノ- 10』

シリーズ完結!!!

正直に言いますと、志乃ちゃんに釣られて読み始めたので、
黒い話になるたびに鬱々としていました。
9巻のラストなんて、今まで以上に悲惨でどうしたものかと。

しかし。なかなか見事な締めだったです。

キララ先輩が襲われた後、動き始める僕と志乃ちゃん。
…の前に現われる綾瀬シン。

今の連続殺人には関わってないという綾瀬シンと、
共同戦線(?)で捜査を進めつつ、過去の連続殺人の話をしつつ、
政治の闇を見つつ、人の心の闇を見つつ、志乃ちゃんの心の内を見つつ。

という感じで。

9巻からのどん底っぷりはあまり引き摺らず。
良くも悪くもあんまり関係ないというか。

まぁ、「そこは是非『だ』ではなく『ら』でお願いしたいな」に、
全力で突っ込まざるを得なかったので、いろいろ吹っ飛んだんですが。
まったく、この台詞はずるいわー…。

連続殺人事件的には、全く推理の入り込む余地無しで解決。

なので、本題であろうこの事件の心理分析がまた濃ゆいというか、
性悪説に依って立つので、実に鬱い。

犯罪を犯すその時に、個人は肥大し社会を凌駕する。
個人が世界の中心になった時、人は人を殺し“得る”

なるほど。

犯罪撲滅という事を考えると、確かに性悪説を採りたくなるのも理解できる。

しかしてそれじゃ寂しいから性善説を信じてみたいなーと思うのは、
犯罪に無自覚なだけだと作中で詰られてる。

とは言え、この本の最終結論では、
でもやっぱり善なる心があるんじゃね? 性悪説で片付けるのはダメじゃね?
ってな感じだと思うので、ですよねー! で締めたい所。
反論無いのが気持ち悪いけど。

志乃ちゃんのひ・み・つは、案外あっさり明かされたですな。
何で綾瀬シンが知ってるんだよ、とは思いましたが。

ってか、“僕”は志乃ちゃんを生涯伴侶に選んだという事ですよね?
ロリコンの謗りは免れない気が…。

ま、最後の志乃ちゃんの笑顔が可愛いので、おーるOK。
この約束は…ちょっと嫉妬せざるを得ない。

クロス君はいつの間にか蚊帳の外で涙目。確かにこれは哀れかも。
でも、キララ先輩が構ってくれるから良いじゃない?

作者殿があとがきで言っていた、理想の個人というのが、
ちょいよく分からなかったです。

個というデータを集めて、客観という“近似値”を作り出して考えるか、
生データをそのまま一つ一つあてはめて考えるか、みたいな感じだろうか。

では、最後に。

シリーズ10冊、お疲れ様でした。
楽しかったです。ありがとうございました。

それでは、また。


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