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チーム八幡坂『みみっく!』

去年末、C75で頒布されたMF文庫Jの新人小説賞受賞者各位による、
オリジナル短編集。

『みみっく!』宣伝ページ

17人の作家と15人の絵師で500ページ越えの本作るとか、
さすがお祭、マジパねぇっす。
今もとらとメロンで委託中だそうで。

3日目のお昼ちょっと前くらいにサークルスペースへ赴いて、
「一部下さい」「あ、はい」だけのやり取りをして帰ったので、
スペースに居たのが誰なのかはさっぱりでした。

なんかメガネ率がかなり高かった事だけ覚えている。

MFはまだ手が伸びきっていないので著者名に馴染みが無さ過ぎる…。
という訳で、代表作も調べるよ!

■ウタカイ
著:森田季節(illust:ねこいた)
08下期のラノサイ杯で猛威を奮った『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』の中の人。

全世界和歌大会。
天才中3少女が即興和歌でバトる(?)話。
和歌の大会という設定がいきなり度肝を抜かれ、和歌でバトる熱い展開がアホで、
自信に満ち溢れつつ、それでもやっぱりナイーブな主人公ちゃんが可愛い。
和歌、と言っても仰々しくは無く、技巧がどうのというのが分からんでも、
熱い展開とアホな設定で面白かったです。
そしてオチが……。

■無手勝
著:赤松中学(illust:佐藤潤一)

『アストロノト!』 『緋弾のアリア』の中の人。

戦国時代平定後、とある村に辿り着いた行き倒れさんのお話。
一見平和そうな村が悪意ある○○に苦しめられてたりとか、
一見ボンクラな行き倒れが実は超強いとか、メチャクチャ王道。だが、それが良い。
あとがきで赤蜘蛛が最萌だと話されていたが、私はそれほど萌えなかった。
というか、八蜘蛛刀がそれほど強そうに見えない?
リーチが絶望的に短いように思うのだけど。阿修羅像みたいに腕付きなのかな。
まぁ、そういう人は照様に萌えとけってこった。
しかし15歳少女で長って、この娘は天照大神様の生まれ変わりとかなのかしら。

■こんびにぞんび
著:日日日(illust:人外モドキ)

『蟲と目玉シリーズ』『魔女の生徒会長』『狂乱家族日記』他の中の人。

コンビニの店員さんが「あうー」が口癖のドジなゾンビっ娘だったら、
というほんわかコメディと思わせて、
ゾンビっ娘にちょっかいを出すお客さんと愛憎の三角関係してみたり、
ゾンビっ娘の出生(?)に関わる店長さんとの主従関係を書いてみたり。
すごい泥臭いというか、血生臭い話。
めっさ、某ぐり子ちゃんを彷彿とさせます。
イラストからすると、ゾンビっ娘というより目隠れっ娘ジャンルに見えるのだが。

■ちちくらべ
著:西野かつみ(illust:無し)

『かのこん』の中の乳作家さん。この中にまた4編の短編。
PNから元ネタ探せそうだけど、よく分からんかった…。
 ▼乳道異称目録
  タイトルまま。単語の羅列で笑かしてくれるお話(?)
  アホ過ぎるというか、途中でただの連想ゲームになって乳関係無くなってる件。
  ゴリアテに吹いた自分が情けない。
 ▼重金属彼女
  重音楽部の部室で、先輩と後輩が乳繰り合う話。
  ベタベタ。これはエ口い。凛子先輩がめちゃエ□す。
  これで乙女じゃないとバラす作者のしたり顔を幻視した。
 ▼ちちくらべ
  母、姉、妹に囲まれて、自分のナイチチを嘆く話。
  バレバレのネタではあるのですが、まぁ、バカです。
  バラす所まででなく、儀式までやるのがさすが。
 ▼はじめての……
  小学生の男女が乳繰り合う話。
  喧嘩してる風を装って触っているというのが、巧いというかなんというか。
  責任とってよね! な所までは想像の範囲内だったのですが、
  その後の続くセリフに“感心”してしまった。くやしい。

■ラノベ作家ぽぽろ!
著:月見草平(illust:裕龍ながれ)

『姫宮さんの中の人 』『かぐや魔王式!』の中の人。

すちゃらかラノベ作家が編集さんと電話で打ち合わせする話。
掛け合い漫才なので、どうにも語るべき所が無いのですが、
このアホさ加減は面白かったです。
何でもいいですが、コールドスリープって、
その間の年齢は加算して良いのか?

■デスペルマジック!
著:田口一(illust:田口一)

『魔女ルミカの赤い糸』の中の人。

魔法少女vs魔法少女で世界と腹筋が壊れる話。
ネタをふんだんに使用した魔法合戦というか、掛け合い漫才が延々。
笑うか引くかの綱渡り。GJ!
個人的にはスペルカードの処理オチ率とその回避処理、
あとスペルカード風トリプル役満?で壊れました。腹筋。

■メイドさんはお手伝いにあらず
著:内山靖二郎(illust:MASATO)

『神様のおきにいり』『クダンの話をしましょうか』の中の人。

超ハイスペックな隠れオタのお兄ちゃんが、
妹にメイド服を着られてあわあわする話。
妹と二人暮らしなのにイベント参加して、オフ会にも行って、
それでも隠れオタという兄貴がすごい。
私にはメイドさんとお手伝いさんの差が分からんね…。
この話のあと、どう考えても18禁展開になると思うのですが、続きマダー?

■ファイブ
著:三浦勇雄(illust:屡那)

『上等。シリーズ』『聖剣の鍛冶師』の中の人。

近所に住む聾者のお姉さんに惚れた主人公君の努力物語。
このカオスな「アホ作品集」の中にあって、
アホのカケラもない純愛なお話。
電話がかかって来た時に、そういう事か、カラクリが読めた! と思ったのに、
もう一枚上手だった。なんというか、もう、巧い。
巧いが、オチ的に誰も幸せになってないあたりに、
純愛小説でなく、単に訓話という線もあるような気がしてきた。

■脈絡のない三つの話
著:七位連一(illust:ぱこ)
『地を駆ける虹』『丸鍋ねこ』の中の人。
ブラックユーモアが三編。ホントに脈絡が無い。
 ▼アリとキリギリス
  備えあれば憂いなし。
  確かに的を射ているが、アリさんが卑屈すぎる。やめてやめて。
 ▼バイ菌
  虐められっ子とヒーローな先輩の話。章扉、そういう事か!
  ネタ的にはどこかで聞いた事あるような無いような。
  でも、これ、先輩の真意が良く分からんのだな。
 ▼はなうらない
  小さな頃に結婚の約束をした女の子の純愛。
  章扉で目のハイライト消してあったので、内容は推して知っていた。
  しかし、口で良いなら逆もまた可だよね。

■望月沙耶香の進路相談
著:星家なこ(illust:シゲノヴ)

『ヒトカケラ』『フレンズ×ナイフ』の中の人。

ちょっぴり不思議ちゃんな女の子の進路指導をする話。
不思議ちゃんの相手をするのが、クラスメイトの男の子とかだったら、
ありがちな世界系だか中二病系のお話なんですが、
先生というところが、なんだか新鮮だった。ような気がする。
でも、先生のスタンスが良く分からんというか、
あんまり関わりたくないというのは分かるのだが、それは良いのかというか。

■ぐるめぐーる、死なないか?
著:早矢塚かつや(illust:夕仁)

『悠久展望台のカイ』『死神ナッツと絶交デイズ』の中の人。短編2編。
 ▼ぐるめぐーる
  裸ワイシャツのぐーるさんに食べられちゃう話。
  裸ワイシャツも食べられるのも合意の上なので無問題。
  誌的で不思議な雰囲気だけど、やっぱり食べられる描写が痛い。
 ▼死なないか?
  恋人が二人で死に場所を探す話。
  上のを読んだ後だと、すごく分かりやすくて良い。
  何気に組まれてる背景設定が結構面白かった。

■ヴァーチャル・ステディ 柏木ナコ
著:大凹友数(illust:bomi)

『ゴーレム×ガールズ』の中の人。

卑屈でちょっと根暗な主人公君が憧れの人の仮想人格で満足する話。
妄想力の無い人でも気軽に楽しめる、妄想ライフ。
そろそろこういう人間が出て来てもおかしくない時代になってます。
しかし、仮想を現実と認識するのなら、そこに居る人は現実と同じ認識になる訳で、
だったら現実と同じに、うまくいかないような気がした。
でも、やり直し、という意味でなら有りか。

■荒野の王国
著:穂史賀雅也(illust:ありくい)

『暗闇にヤギを探して』『オウガにズームUP!』の中の人。

一つの幸せな家庭が出来るまでのノロケ話?
若しくは、作者の迸るエヴァ愛とハルヒ愛を受け取る話。
エントリープラグ挿入は無いわ。
なんだか真面目な話が始まったぞ、と思い、
ウサギのぬいぐるみを抱いているちょっと鬱い彼女に、
どう接したら良いか分からないウチに、あれよあれよと話が進み、
結局、惚気られていたというオチ。
ハルヒは良いけど、漢字はちゃんと考えてあげろよ? と言いたい。

■杏酒
著:熊谷雅人(illust:Ondie)

『ネクラ少女は黒魔法で恋をする』の中の人。

社会人OLが大学生時代は良かったなぁ、と思い出す話。
コレを読んだ所為なのか、大学時代の夢を見ました。
私も他の人と過ごす努力という物をしていない人間なので、
非常に胸に痛い。うへー。

■スクール水着のおっさん
著:松野秋鳴(illust:QP:flapper)

『えむえむっ!』の中の人。

えーっと、失恋で落ち込んだ少年がスクール水着を着たおっさんに遭う話?
まぁ、どんなにイイハナシにしようとしたって、スク水はアウトだよね。
これを『えむえむっ!』の中の人が書いたとか、すごい自然。
オチは読めたけど、それでも笑った。絵が脳内に浮かぶと負ける。

■滅亡惑星調査記録$#801*43号(日本語翻訳版)
 ~創聖の新世紀セーラー服リリカル機動魔法勇者戦艦ガンダゲリオンF~

著:平坂読(illust:無し)

『ねくろま。』 『ラノベ部』の中の人。
サイン求められ率がダントツだったと誰かが言ってたけれど、すごいな読たん。

遥かな未来。既に滅亡にした惑星の調査に来た人たちが、なんか見つける話。
要は日本の文化は宇宙に名だたるとか、そういう事が言いたいんだと思う。
タイトルから分かる通り、とてもバカです。でも天才。
未知の文化の調査法、文字や言語の同定だとか、文化の推測だとか、
非常に興味深く読める。
「全てに合理的な理由がある訳ではない」というのをあえて無視しているのは、
ちょっとだけひっかかったけど。
あと登場人物の名前が発声出来なくて困る。
固有名詞は翻訳出来無い部分だから仕方ないか。
何気に叙述トリックってるのも、ちょっと笑った。

■あるライトノベル作家のモチベーション
著:比嘉智康(illust:カズオキ)

『ギャルゴ!!!!! 』の中の人。

とあるラノベ作家が本を書くモチベーションを上げていく様をセキララに。
これが本当だったら、全ラノベ作家が泣く。私も貰い泣く。
あと、新刊刊行日に本屋さんに行っちゃう作家さんが超リアル。
でも、ストッカーあけるのはダメだーよ。
そんな事するなら、YOU、本屋さんに正体告げちゃいなYO!と思う。
自分だったら喜んでディスプレイするけども。
ストッカー開けて探してるお客さんを見ると、「万引きか!」とは思わないですが、
声をかけて貰えない至らない自分に凹む。(私だけか?)

いろんな人のちょっとした作品を読めるのは、やっぱ良いモンです。
面白かった。またやって欲しい。

それでは、また。

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