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ファミ通文庫『“文学少女”と神に臨む作家 下』

堂々終幕。
この上なく残酷で、しかし優しい微笑みで終わる、
“文学少女”最後のエピソードです。

シリーズとしては短編集と外伝を残しているそうですが、
物語としてはこれで終わり。

見事でした。実に見事で、「らしい」終わりでした。

賞賛を浴びせたいのですが、それを表す言葉が無い。
「とにかく凄い」とかそんな言葉しか出てこない。

これは……もう、ホントなんだろうね!?

以下、ネタバレを含みます。読んでない人は読んでから。

今までの巻も含めて、こんなにも登場人物皆々ボロボロなのに、
挫けて、間違えて、失敗して、地獄を味わっているのに、
「“文学少女”の想像」のなんと温かな事か。

下巻では、上巻でノリノリだった流人君までボロボロになり、
遠子先輩のいない心葉君はもちろんヘタレ、
麻貴先輩までびっくり発言、竹田ちゃんもハッスル。

琴吹ちゃんは振り回されるし、
芥川君と美羽、何気なく森ちゃんまでまでお節介焼きにくるし、
最後の最後に妹ちゃんまで登場と。

一体、誰のお話だったのか迷うような、
煮詰まったお話でした。

それで、この完成度ってのは、素晴らしい。

皆、病んでるんじゃない。不器用なだけなんです。
…事件は起きちゃってますが。

以下、だらだらとキャラで感想。

・遠子先輩
「ただの先輩」なのか、「実は前から…」なのかは、
このシリーズ始まってからの最重要関心事でしたが、
最後の手紙が全てですなー。

キャラがキャラだけに、明かされてもあんまりピンと来ませんが。

今回のお話では「出自」と「手紙」でゴリゴリと心を抉られましたが、
なんだかんだで巧く行って良かった良かった。

しかし、それにしても卒業時の神々しさが凄すぎる。
これぞ先輩キャラ。

それ故に、エピローグは賛否両論ありそうな気もします。
でも、私としては、これで良かったです。

・心葉君
ヘタレ心葉君から、“文学少女”心葉君への転身に慄いた。
最後なんだからコレしか無い事は分かっていたけど、それでも。

特に描写は無いけど、私の中では、
森ちゃんにぶん殴られてる時の心葉君は、すごく凛々しかった事になってる。

でもやっぱりその後の泣きながらお別れしてる心葉君が良いなぁ。
迷って迷って泣きべそかいてる時と同じく、みっともない事だけど、
そのみっともなさとは何か違う。

・琴吹ちゃん
1巻時点での見せ場の無さを思えば、
この最後の最後まで引っ張る事になるとは、すごい予想外…。

典型的なツンデレで、ここまで乙女乙女されるとむしろギャグかと思ったですが、
話に絡んで来ましたしね。

正直、最後までひょっとしたらと思っていたですもん。

見せ場的には、お別れの時よりは、引っぱたいてる所が好きです。
ななせ党員の人々は、もっとやれ! とか言ってそうですが。

・流人君
結局の所、道化みたいな役割になってしまったですな。
ま、キれる若者は怖いという事で。

ただ、エピローグでの幸せっぷりがどうも違和感。

今回のエピソードで捨て身でいろいろやったのに、全部カラ回り、
しかしながら結果的に、巧く行ってるという感じがする。

相応にボロボロになったし、罰も受けてるし、
禍福が平等でない訳では無いのか?

・竹田ちゃん
いや、ホント、1巻でちょっと活躍するだけの子だと思ってた頃が懐かしい。
巡礼者の時もヤバかったですが、今回はついにヤっちゃいましたからね。

大活躍ですよ。
ヤってしまったのに、罰を受けてないのはちょっと気になりますが。

・麻貴先輩
悪いとは言わない。悪いとは言わないが……すごい事するなぁ。
それに尽きる。

幸せだってんなら、良いですしね。

でも、決別かと思ったら、
エピローグで一緒になって可愛がってて吹いた。

・芥川君、美羽
美羽は吹っ切ってから、すごい良い女になったですな。
女友達な役割ですが、カッコ良かった…。
今回のエピソードでのお節介っぷりは、素晴らしかった。
少なからず、芥川君の影響なんだろうか。

芥川君は、何気に出番無くて可愛そう。
どこかで美羽とラブラブしてる短編でも出ないかな。

・舞花
塩シュークリームとレモンパイはともかく、
事、ここに来て、ここに出てくるとは思わなんだwww

“食事を作ったり、洗濯をしたりするのが楽しいらしい。”
可愛すぎる。これは酷い!
これに関して、フラグ立った! とか思うのは、
エ□ゲ脳だからですか。そうですか。

さて、次は短編でも外伝でもなく、コラボアンソロジー2です。

それでは、また。

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