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集英社『九つの、物語』

久しぶりの橋本紡氏新刊。
小説すばるに連載してたヤツです。

氏曰く、「今までやってきたことを「結実」させたもの」との事で、
橋本氏らしい普通のお話。

確かにテーマとしては、『半月』からの作品群それぞれから、
ちょっとずつ抜き出した感じで複雑。

ただ、主人公が20歳超えた兄妹なので、
『半月』とか『曜日シリーズ』ではなくて、
『空色ヒッチハイカー』『月光スイッチ』の系譜です。

ま、小説誌での連載だからそりゃそうだ、と言えばそれまでですが。

お話は大学生の割りに子供っぽい主人公の所に、
いなくなった筈のたお兄ちゃんが突然現れて、
恋人やら友達やら家族やらと不器用に接している妹に助言って行く…
という、むしろラノベによくありそうな話。

九つの近代文学が各章で引用されていて、それと対比していたり、
美味しそうな料理を作って、それで示唆したりと、
橋本節はひしひし。

しかし、どうにも私には潔癖のケがあるらしく、
ゆきなの不器用っぷりに理解は出来ても、その行動には納得いかない。

ゆきなは女主人公らしく、いろいろ間違えて、失敗して、
理性では分かっていても、でもやっぱり…みたいな理不尽を選んだりします。

でも、それって当たり前じゃない? という話なんでしょうけど、
私はそうなの? と思っちゃう。

さらに私には分からない。
どっちが一般的なのだろうか。

この部分は感情移入するべきところなのだろうか。

でも、受け入れろって話では無いと思う。
理不尽なのは確か。それは良い方向を向いてはいない。

選択肢に失敗と成功はあれど、正誤はない、というのは分かる。
ただ、正誤じゃなきゃなんなのさ、という問いには答えられない。

結論は出ない。深く考えてないだけかもしれない。
深く考えるべきなのかもしれない。
良く分からない。

という訳で、ゆきなに関しては何とも言えず。
恋人の香月君も同様。

そうすると、お兄ちゃんの言にハッとさせられる。
不安定な人格は好きになれないけど、「山椒魚」での活躍が眩し過ぎ。

どうでもいいけど、私も吉田君みたいになりたい!

さて、こういう話を書いて、まだまだ書けると言う橋本氏は、
次にどんな作品を書いて行くのかしら。

それでは、また。


関連

彩乃ちゃんのお告げ

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