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メディアワークス『図書館革命』

有川浩氏は「姉さん」と呼ぶべきか、姐さんと呼ぶべきか、それが問題なのです。

待ちに待ったシリーズ第4巻。堂々の完結編でござい。

コミック化、アニメ化とメディアミックスが発表されましたが、
このシリーズ本編は、この巻にて幕。

『図書館戦争』のタイトル発表時から、信者やってますけど、
内容も刊行ペースも、何もかも素晴らしかった。

まずは一言、ありがとうございます。

という訳で、4巻ですが、
完結巻だけあって、この巻まるまる1エピソード。

あとがきで浩姐さんが言っている通り、
登場人物、皆暴走しまくって、作者が市中引き回しの刑になってるのが、
ありありと分かるような、そんな話。

いきなり、原発テロが勃発します。

もう、この時点で吹いた。
図書館どこいったんだwww ですよ。

ところが、これが図書隊とメディア良化委員会が雌雄を決する
大決戦に繋がるのですよ。

有川節が鳴りまくりの「大決戦」、分かってらっしゃる!

ちなみに「全面衝突」ではありません。
それは『図書館危機』でやりましたし。

やってる事は要人警護。
匿ったり、逃げたり、騙したり、撃たれたり。

これをノリノリの浩姐さんが書いてるわけです。
面白くないはずが無い!

ご都合主義ではあるのでしょう。
そんなに巧くいきっこない。そんなに敵が甘いはずが無い。

それは分かってるのですが、それを面白く書けるのが浩姐さんなのです!
ってか、その辺は「分かってらっしゃる!」に集約されるというか。

序盤でのヘリ輸送が出た辺りが一番の山場というか、
ここを見たら、後はどんな物でも受け入れられる覚悟が出来る。笑うしかない。

そんなダイハードな場面でドキドキでは無く、ニマニマ出来る訳ですが、
その合間合間に、普通の笑いどころが出てきて、そこで爆笑できるのも良い!

最後の最後、まさにクライマックスという所で出てきたおばさん
ここは、笑い転げざるを得ない!
何度、思い出しても笑える。すごいインパクトだった。

そして、作者ですら手におえないキャラクター達。
郁と堂上が、手塚と柴崎が、小牧と毬江ちゃんが、玄田隊長が、折口さんが、手塚兄が。
ラブラブしてたり、死にそうになったり、不敵に微笑んだり、魅せる魅せる。

郁の胸キュンっぷりと、柴崎のカッコ可愛さは異常。ここは、あえて特記しておく。

エピローグでは、目の玉が飛び出るかと思いました。
散々フラグは立っていたけど、手塚もっと頑張れ!

…と、面白さを書き連ねた所で、少々この本のテーマに触れておきます。

今巻で一番、考えさせられたのは「政治への無関心」
私なんか、ここしばらく投票所に行ってない、まさに問題となっている人そのものなので。

作中では、その"無関心"の隙を付いて、一部の政治家が利権をもぎ取るために、
表現の自由にすら手を出して、歪んでしまった社会が描かれています。

この4巻では無関心だった人達に、関心を持って貰い、
それをもってめでたしめでたしとなる訳ですが、
はたして、現実ではどうだろうか。

"無関心"の隙を突くような政治家は実在するのか?
関心を持てば政治は良くなるのか?
または、現実の人々は悪政が続いた時に関心を持てるのか?

すなわち。

国民の血税を、個人の道楽に使うようなふざけた政治家なんていないんじゃね?
関心を持って選んでも、政治家なんてみんな真っ黒なんじゃね?
酷い悪政をされてもなお、面倒臭がって人は主張する事を放棄するんじゃね?

考えさせられます。

…結論は出ませんが。

とにもかくにも楽しみだった『図書館戦争』シリーズも終わり。
有川浩先生の次回作にご期待ください。
『フリーター、家を買う』かな?

…と思わせておいて、次は電撃文庫MAGAZINEです。
図書館戦争スピンオフ。

12月10日にご期待ください。

それでは、また。


関連

図書館危機

図書館内乱

図書館戦争

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