« ファミ通文庫『“文学少女”と穢名の天使』 | トップページ | MF文庫J『ねくろま2。』 »

ファミ通文庫『“文学少女”と慟哭の巡礼者』

煽りの文句が無くなったなぁ、とか思っていたら、
なんと帯に「ビター&スイート学園ミステリー」とか、
しっかり書いてありやがりましたですよ。

そんな訳で、シリーズ第5巻。
最新刊まで追いつきましたです。

今回は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』

ここまで来ると、ネタバレ無しで感想書こうとすると、
某氏みたく"最高傑作"としか言えないので、
ある程度は勘弁な。

という訳なので、ネタバレありで下段に感想。

だから、先に言っておく。

これは、ホントに凄い。
1巻から、ずっとそう思ってきたけど、
巻を重ねるごとに、そう思わされる。
世の学校の全ての文芸部に1セット置くべき。

あ、あと一言。
冒頭のラブクラフトを読む遠子先輩には大爆笑。
「ダゴンさまー」は名言として心に刻んでおくことにした。

さて、

ついに来た、美羽のお話。

3巻でその生存が確認出来た時点で、
どうやらこれは大変な事になりそうだぞ、とは思っていたものの、
4巻の琴吹ちゃん話を踏み台にして、
想像以上の、嵐というか台風というか竜巻というか、
もうトライディザスターですよ。

琴吹ちゃんをダシにして、美羽様降臨。

予想通りの悪女役、を通り越してヤンデレですよ。
ここまでのハイスペックなヤンデレは、
そうそうお目にかかれますまい。

某まーちゃんとか、某リネア様とかと比べ、
って、ちょっとベクトル違うので、一概に比較は出来ませんが、
しかし、彼女らに比肩するのは間違いない。

ただ、私の中でのヤンデレ観が、
ちょっと凶器っ娘の方向にズレてしまっているので、
美羽様をヤンデレと呼ぶのにはちょっと抵抗がありますね。

私としては美羽様は燦然と輝くNo.1キャラ。
"爪切り"のシーンは、伝説として語り継ぐべき。

そういう悪女っぷりを見せ、
しかしそれ所じゃない、その後の吐露。

これが…効いた…。
ここまで歪んだ、こんなにも迂遠な…
それでいて狂ったりもせず…凄い。

狂人となったら、それはまた別カテゴリ。
頭の中で隔離されてしまいますからね。

理解できるのは常人だけ。
その気持ちの揺らぎの最大振幅。

そして常人であれば、まだ"帰ってこれる"
そのギリギリの綱渡りに、私は何を思っているのやら。

こういうのは理屈をつけるのも躊躇われる。
ただ単純に"楽しんでいる"とは考えたくないですがね。

と、美羽様ばっかり褒めてますが、
この巻で一番印象に残っているのは、竹田ちゃんなんですよね。

屋上での旅立ちの場面。
あそこで、竹田ちゃんが来るとは思ってなかった。
出た瞬間、1巻のフラッシュバック。

背筋がゾクゾクするわ、呼吸は止まるわ。
死ぬかと思った。

加えて、解答篇。
何を言うのかと思ったら…予想外も良いとこですよ。

遠子先輩は相変わらず。
笑うのも、むくれるのも、ドジるのも相変わらず。
それが凄いというのは、言うに及ばず、です。

そして琴吹ちゃんもね。
踏み台にされたとて、ただでは起きないというか。
これだけ荒れ狂った、フラグ争奪戦の中、
あんなにやられているのに、それでも準ヒロイン。
ただのツンデレなんかじゃ、無いはず。

心葉君、よく頑張りました。
おまえがもっとしっかりすれば、とは言えないよ。
こいつはこいつの精一杯をしているし、
それで失敗ばかりだったけど、最期の最後で間違えなかったんだから。
それだけで、賞賛を得られるはず。

芥川君は、貧乏くじな役回りになってしまったけど、
彼は彼で幸いを見つけられた、のだと思う。
誠実、カッコいい。

流人君は、憎むべきなのかな。
悪役を"楽しんで演じている"人は悪役なのか。

麻貴先輩は…さすがに出番が無さ過ぎた。
感想を述べるには、ちょっと…。

しかし、要所を抑えて、キャラを際立たせる。
これが、ホントに巧い。

無駄なシーンが全然ない。
これは構成の力なんだろうなぁ。

そして、最後がアレで、助かった。
ヤンデレはやっぱり救われるべき、です。

美しすぎる、それが良い。

という訳で、これで終わるかとすら思うほど、
綺麗な綺麗な終幕だったのですが、
お話はまだ続きます。

でも、次か、次々巻で終わっちゃいそう…?

それでは、また。


関連

“文学少女”と穢名の天使

“文学少女”と繋がれた愚者

“文学少女”と飢え渇く幽霊

|

« ファミ通文庫『“文学少女”と穢名の天使』 | トップページ | MF文庫J『ねくろま2。』 »

03_ファミ通文庫」カテゴリの記事

アニメ・コミック」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222518/16529202

この記事へのトラックバック一覧です: ファミ通文庫『“文学少女”と慟哭の巡礼者』:

« ファミ通文庫『“文学少女”と穢名の天使』 | トップページ | MF文庫J『ねくろま2。』 »