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新潮社『青少年のための読書クラブ』

桜庭一樹氏の新潮では初めてかしら? な単行本。

そういえば赤朽葉、残念ながら直木賞は逃したらしいですね。

これはその話題になるちょっと前に出た奴で、
もともとは小説新潮に載せていたお話だそうです。

秘密のお嬢様学校の、はみ出しクラブ「読書クラブ」に伝わる、
学園の裏話が書かれたクラブ誌。
それを読んでいる体裁で、100年が語られます。

掲載分2編収録、3編書き下ろしの、5話構成。

ネタ的には秘密の女学院で、『GOSHICK』っぽかったり、
古き善き昭和からのお話で、『赤朽葉』っぽかったりです。
あー、これは桜庭さんだわー、という匂いプンプン。

そして、黒歴史を面白おかしく綴った話なので、
いわゆる、桜庭鬱はあんまりありません。

黒いには黒いんですけどね。
煤けた黒さというか。

一応、各話で締まっているので、1話ごとに以下感想。

・烏丸紅子恋愛事件
偽王子、紅子と黒幕が頑張るお話。
まぁ、でも題名まま、というか。

この1話で王子とか、お嬢様学校の事とか、
読書クラブの事、クラブ誌の意味など、
基本的な設定が全部抑えられて、しかも普通に面白い。
全編読み終わったときに、改めて感心する話。

紅子の第一声が面白く感じるのは、

どういう偏見から来るんですかね。
オチの壮大さも、実に桜庭氏らしい。大合唱って…。

・聖女マリアナ消失事件
この物語の始まりの始まりなお話。
いわゆる第0章。

感想を述べるべき所が激しく致命的なネタバレなので、
何にも解説出来ないのですけど、
感想だけ言うと、「そりゃ無いぜ」

この辺の謎部分って、どうにもGOSHICKなオチに見えてしまう。
まぁ、レベル的に?

・奇妙な旅人
扇子で革命で大衆なお話。

騒動的には一番面白かった。
感想を一語で言っちゃうと、やっぱり「そりゃ無いぜ」なんですが、
これにもう一語足して、「もっとやれ」的なノリが面白い。

踊る指導者、ミラーボールて…。
あと、巨乳ですか。
その絵を妄想するだけで、ご飯3杯はいける。
これ、書き下ろしだけど、小説新潮には載せられまい…。

・一番星
ロックで嘘と裏切りでオチなしなお話。

山口十五夜のスター階段駆け上り話なんですが、
この十五夜が何考えてるか、さっぱり分からず、
あれあれ、おやおや、あらあら、まぁまぁ、と振り回されつつ、
どこでオチるんだろう、話が終わらな…終了という感じで、
終わったときは口を開いている事でしょう。

でもこのお話で面白かったのは、
時代が2009年のお話だという事。

この2年後という微妙な未来が、何か良い。

・ハビトゥス&プラティーク
怪盗で変装で崩落なお話。
まさに締めのお話。

予言された終焉の100年目。2019年ですよ。
最後の読書クラブ員と、読書クラブOGが良い味出してる。
さり気なく黒夢蘭子も良い味出してる。

騒動は大きくなくても、お話的には一番好き。
良い締めだった。

それでは、また。

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