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東京創元社『赤朽葉家の伝説』

桜庭一樹氏のハードカバー作品。

いわゆる黒かずきん作品…とか言おうと思ってたのですけど、
一連のあれ、「地方都市シリーズ」なのですって。
結構、長い事桜庭さんを見守ってきてたけど、全然聞いた事無かった…。

なんでも、どこかで桜庭氏がそういうシリーズ名を出したのですって。
ごめんなさい、ごめんなさい。不勉強でごめんなさい。

とは言え、『砂糖菓子』とか『七竈』とか『向かない職業』とか、
覚えてないけど『推定少女』とか、
読んでないけど『荒野の恋』とか『ブルースカイ』とか
シリーズだと言われると、確かにその通りで、
この『赤朽葉』もそのシリーズだよ、ってのが一番の説明になる気が。

読んだ事ある人にはわかると思うんだなぁ…。

読んだ事ない人向けに書くとすると…
山陰地方のとある町のとある素封家の話で、
少女の「どうしようも無さ」を、なんと母子3代にわたって、
紡いである作品。
青春小説ではあるけど、実に桜庭的。

戦後から現代までの時代の移り変わりが、…すごい。
製鉄で、公害で、オイルショックで、バブルで、…すごいんだから!

基本的に黒い部分だけをあげつらっていて、
それは確かにフィクションではあるのですけど、
でも、事実なんですよ。
こういう事がどこかにあったに違いない、と
確信させられるような社会的背景もすごいし、
こういう人がどこかにいたに違いない、と
確信させられるような心理描写がすごい。

私なんか歴史とか政経とか、全然真面目にやってなかったですが、
それでも、ありありとこの「紅緑村」が思い浮かべられる錯覚。
さすが桜庭氏…こんなの溜息以外出ないって。

せかいがまるい事とか、フィクションの時代とか、国家と家族とか、
やっぱり私は何も考えないで生きてるなぁ、とか思い知るわけです。

自分は一体何がしたいんだろうなぁ…とかね。

…ま、暇なときに考えましょうかね。
とりあえず難しいことは保留。

しかし面白かったなぁ…。
最初の、万葉幼少期時代こそややこしかったけど、
それでも未来視のギミックを使って、
底知れぬ祖母というキャラクターを見事に演出してたし、
毛毬の不良っぷりは、地方都市少女そのままの黒さ加減で、
それはもう惚れ惚れしたし、
それでいて最後の最期でミステリになるとは…。

それでは、また。

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